シィ 〜ケルトの妖精たち〜 

 
“シィ[sidhe]”という語は元来、ゲール語アイルランド系ケルト)で、“丘”や“塚”を意味する。
ケルトの人々は丘の下や海の彼方などに異界・他界があると信じ、それらを“シィ”と呼称した。 
  • ティル・ナ・ノグ(常若の国)
  • ティル・ナンベオ(生者の地)
  • マグ・メル(喜びの野)
  • ティル・ターンゲリ(約束の地)
  • マグ・モル(広大なる野)
  • ティール・エル(他界)
  • ティル・ナン・バン(女人の国)

また、こういった彼岸の世界は此岸とは異なり、常に平和で幸福に満ちた楽園だと思われた。
ゆえに、“シィ”は「平和」の意味を含むようになった。
そして、異世界に棲み時折こちら側を訪れる妖精達のことも“シィ”と呼ぶようになった。

彼らは、かつては、トゥアーハ・デ・ダナーン[Tuatha De Danann]といい、
「女神ダーナの息子達」といった意味で、一般に“ダーナ神族”という。

彼らは、北方よりアイルランドに到来した神々で、
強力なドルイド魔力を有し、四つの魔導器
(ファルの石、ルーグの槍、ヌアザの剣、ダグザの鍋)を保有。
先住者であったフィル・ヴォルグ族を倒しこの地に住み着いた。

しかしある時、ミレシウス族が大詩人アヴァルギンに率いられてこの地に上陸。
ミレシウス族は破壊や戦闘の神であるミレシアの子孫であり、ケルト人の祖先とされている。
アヴァルギンはケルトにおける詩文学の祖であり、
アイルランド上陸の際に詠った詩がアイルランド最初の詩であるとされる。
ダーナ神族はミレシウス族との戦いに敗れ、
以来、地上をミレシウス族、地下をダーナ神族が領有するようになった。


ケルト神話をモチーフとした世界
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