宇宙樹 ユグドラシル

ユグドラシルは北欧神話の世界観における 世界の主軸(アクシス・ムンディ)。
世界全体を支え聳える巨大なトネリコの木。

その名の由来

“ユグ”とは「恐るべき者」の意で、オーディンを指す。
また、“ドラシル”は、「〜の馬」という意味を持つ。
よって、“ユグドラシル”とは、「オーディンの馬」という意味。

古代北欧では首を吊ることを“馬にのる”という言い方をし、
オーディンが、ルーン文字の極意を会得する為に、
九日間この樹に吊り下がったのがこの名の由来とされている。

三本の根

この樹は三つの地域に生えた三本の根によって支えられており、
その根本にはそれぞれ一つずつ、計三つの泉が湧いている。

一本目はエーシルたち(アース神族)の住むアスガルドに。
そこには、ウルドの泉(ウルザンブルン)があり、
そこに住む運命の三姉妹ノルニルがこの樹の世話をしている。

二本目は巨人族の住むヨツンヘイムに。
そこには、ミーミルの泉があり、この泉の水を飲むと知恵がつく。

三本目は死者の国ニヴルヘイムに。
そこには、フヴェルゲルミルの泉があり、その下で毒竜ニーズホッグが根をかじっている。

元来は一つの泉であったのが、後に三つになったといわれている。
また、ユグドラシルの樹皮より、生命の水アウルがしみ出しているとも。

この樹に棲むものども

この樹の高い梢の上にフレスヴェルグという大鷲がとまっている。
そして、ラタトスクという名のリスが駆け回り、
この大鷲と毒竜ニーズホッグとの間で、
それぞれの悪口を仲介しているため、両者は大変仲が悪い。

四頭の牡鹿がこの樹の葉や若芽を食い荒らしておる。

  • ダーイン   「死」
  • ドヴァリン  「ためらわせるもの」
  • ドゥネイル  (語義は不明)
  • ドゥラスロール(語義は不明)

また、七匹の蛇がニーズホッグと共に根をかじっている。

  • ゴーイン    「荒野に住むもの」
  • モーイン    「荒れ地にすむもの」
  • グラーバク   「灰色の背」
  • グラフヴェルズ 「野にもぐるもの」
  • オヴニル    「輪をつくるもの」
  • スヴァーグニル 「ねむらせるもの」
  • グラフヴィトニル「洞窟を訪れるもの」

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